NASDAQに惹かれながら、S&P500を持ち続けている
正直に書く。NASDAQやFANG+に惹かれる気持ちは、今もある。
半導体がここまで強くなった時代に、レバレッジNASDAQを持っていたらどうなっていたか。考えないといえば嘘になる。エヌビディアが一晩で10%動く相場を見ていると、S&P500の地味な値動きが、ときどき物足りなく見える。レバナスを持っている人のポートフォリオを見ると、羨ましいという気持ちがまったくない、とは言い切れない。
それでも買えない。
理由は単純で、レバレッジ商品は長期で持つものではないと思っているからだ。レバレッジETFには逓減リスクがある。
逓減リスクとは、レバレッジETFが日次でリバランスを行う仕組みに起因するリスクのことだ。たとえば、2倍のレバレッジETFで原指数が1日目に10%下落し、2日目に10%上昇したとする。原指数は元の水準に戻らず約1%のマイナスになるが、2倍レバレッジETFは1日目に20%下落、2日目に20%上昇するため、約4%のマイナスになる。この「毎日のリバランスによる誤差の積み重ね」が長期保有になるほど効いてくる。上下に振れる相場が続くほど、レバレッジ倍率の恩恵より逓減の影響が大きくなる。
上がって下がってを繰り返すだけで、じわじわと元本が削れていく。方向感が一貫して当たり続けるなら話は別だが、それは投機であって、自分がやりたいことではない。S&P500を長期で持つという自分のスタンスと、レバレッジは根本的に相性が悪い。
NASDAQやFANG+への惹かれ方
レバレッジを除いても、NASDAQやFANG+への関心は消えない。
世界を変えている企業が中心にある。日常で使っているサービスと直接つながっている。テクノロジーの成長に直接乗れる感覚がある。相場が強い局面を見ていると、S&P500より明らかにリターンが大きく見える。
上がっているときは、集中投資の魅力しか目に入らない。成長企業にまとめて乗っているように見える。時代の中心にいるような感覚がある。
ただ、ここで毎回自分に問い返すことがある。それは、下がったときに持ち続けられるか、という問いだ。
上がる力が強いものは、下がる力も強い。期待が高い分、失望されたときの売りも集中する。金利、景気、規制、決算。どれに対しても反応が大きく出る。NASDAQが崩れるとき、S&P500より深く、より速く落ちる。2022年、NASDAQは年間で約33%下落した。同じ年のS&P500は約19%の下落だった。どちらも大きな下落だが、NASDAQの下落を目の前にしたとき、自分が持ち続けられるかどうか。資産形成の主軸として持つなら、そこまで考える必要がある。
ポイントだけで買っているもの
実は、FANG+に近い商品は持っている。Tracers S&P500トップ10インデックスだ。S&P500の上位10銘柄に絞った、実質的にMAG7を中心とした集中型の商品だ。
ただし、自己資金は一円も入れていない。SBIポイントを毎日自動で積み立てているだけだ。ポイントという、最悪ゼロになっても痛くないお金だからこそ、こういう商品に入れられる。もし自己資金を入れるとなると、話は変わる。暴落したとき、持ち続けられる自信がない。だから入れない。
「買いたいけど買えない」という正直な感情と、「ポイントなら入れられる」という設計の折り合いをつけている、というのが現状だ。
S&P500にも、成長企業は入っている
S&P500を「守り」だと思っている人もいるかもしれない。自分の感覚は違う。米国株に資産の大部分を集中させ、為替リスクも信用取引のリスクも引き受けている。決して保守的な運用ではない。
加えて、S&P500にもNASDAQの主要銘柄は含まれている。エヌビディアも、アップルも、マイクロソフトも、メタも入っている。時価総額加重方式のため、大型テック企業が指数全体に与える影響は自然と大きくなる。わざわざNASDAQやFANG+へ寄せなくても、米国の成長企業の恩恵にはある程度乗っている。
その上でさらに集中させることが、自分には必要かどうか。ここで毎回立ち止まる。
最大リターンを狙うなら、NASDAQやFANG+の方が可能性は高い場面もあるだろう。ただ、下がったときに持ち続けられないなら、意味がない。暴落のたびに方針を変えていては、長期投資は成立しない。最大のリターンより、最後まで持ち続けられることを優先する。それが今の自分の結論だ。
レバナスに投資しておけば良かった、ビットコインを10年前に買っておけば今頃は大金持ちだった・・・。そんな歴史のたらればを妄想しながら、ビットコインもレバナスも買っていなかった事実を受け入れて、今は淡々とS&P500が育っていくのを眺めている。
