オルカンは悪くない。だが私は、S&P500にベットした
米国に、終わりは来るのだろうか。
かつて世界の覇権を握ったのは、スペインだった。大航海時代、世界中に植民地を広げ、銀を独占した。次にオランダが台頭し、海運と金融で世界を動かした。そしてイギリスが産業革命を経て覇権を握り、「日の沈まない帝国」と呼ばれた時代が続いた。
歴史は繰り返すと言う。一国が永遠に覇権を握り続けた歴史は、今のところない。だとするならば、米国もいつか沈む。
オルカンを選ぶ動機の多くは、「米国集中が怖い」という感覚だ。全世界に分散すれば、米国が沈んでも他の国の成長で補える。その発想は筋が通っている。
ただ、米国が大きく崩れたとき、オルカンは平然と伸び続けられるのか。世界の金融市場と米国の結びつきは極めて深い。ドルで決済される取引、米国企業のグローバルな事業展開、世界中の投資家が参照する米国の金利。米国株が本格的に崩れた局面で、全世界株式だけが穏やかに推移するというシナリオは、自分には楽観的に見える。嵐の中で、隣の家だけが無傷というのは起こりえない。
つまり「S&P500かオルカンか」という問いは、突き詰めれば「どれだけ米国を信じるか」の濃淡を選んでいるにすぎない。どちらを選んでも、米国から完全に自由にはなれない。
それに歴史が繰り返すとして、米国はいつ沈むのか。私が生きているうちに沈むことなどありえるのか。
さらに言えば、歴史は繰り返すのか。この高度に発達し、相互に連関しあうグローバルな世界において、かつてと同じ歴史を辿らない可能性すらあるのではないか。
そう考えていくと、私にとってS&P500は期待値が高いと信じるに足るインデックスだ。オルカンが優れた商品であることは論を俟たないが、私の選択肢とはならなかった。
